平成30年度/本試験/物理/第1問 のビジュアル編集 Top > 平成30年度 > 本試験 > 物理 > 第1問 第1問(必答問題)次の問い(問1~5)に答えよ。〔解答番号1~5〕(配点25)問1図1(a)のように,速さvで進む質量mの小物体が,質量Mの静止していた物体と衝突し,図1(b)のように二つの物体は一体となり動き始めた。一体となった物体の運動エネルギーとして正しいものを,答えよ。ただし,床は水平でなめらかであるとする。#instagram(BlNmWkfn4B2)※ポイント運動量保存則:質量m、速度vとしたときに衝突前後でmvの和は一定になります。運動エネルギー:mv^2/2一体となった後の速さをVとすると、運動量保存則より、mv=(m+M)VV=mv/(m+M)求める運動エネルギーは1/2・(m+M)・V^2=1/2・(m+M)・{mv/(m+M)}^2=m^2・v^2/2(m+M)問2空気中を伝わる音に関する記述として最も適当なものを,次から一つ選べ。[2](1)音の速さは,振動数に比例して増加する。(2)音を1オクターブ高くすると,波長は2倍になる。(3)音が障害物の背後にまわりこむ現象は,回折と呼ばれる。(4)振動数が等しく,振幅が少し異なる二つの波が重なると,うなりが生じる。(5)音源が観測者に近づく速さが大きいほど,観測者が聞く音の振動数は小さくなる。(1)音の速さは,振動数に比例して増加する。v=fλ(v=速度、f=振動数、λ=波長)なので、fが倍になるとvが倍になると思われがち。しかし空気中の音速は一定なので誤り。fが倍になると、vが一定になるようにλが半分になる。(2)音を1オクターブ高くすると,波長は2倍になる。音が高くなると振動数が増えるので、波長はむしろ短くなる。(3)音が障害物の背後にまわりこむ現象は,回折と呼ばれる。正解。(4)振動数が等しく,振幅が少し異なる二つの波が重なると,うなりが生じる。「振動数が少し異なる」が正解。(5)音源が観測者に近づく速さが大きいほど,観測者が聞く音の振動数は小さくなる。波長が見かけ短くなり、振動数が大きくなる。問3図2のように,正方形ABCDの頂点に電気量±Q(Q>0)の点電荷を固定する。点Pでの電場(電界)の向きを表す矢印として最も適当なものを,下の1~8のうちから一つ選べ。ただし,点Pは正方形と同じ面内にあり,辺BCの垂直二等分線(破線)上で,辺BCより右側にある。[3]#instagram(BlOwNwunvG9)電場E = kq/r^2 (k:比例定数、q:電荷量、r:距離)電場の向きは2点を結ぶ直線に平行になります。E>0(q>0)なら矢印は電荷からその場所への方向になります。E<0(q<0)なら矢印がその場所から電荷への方向になります。ということで、電荷4つそれぞれが作る電場は下図の赤矢印になります。その4つの赤矢印を合成したものが青矢印になります。矢印の傾きと、A、DがB,Cより遠いことよりrが大きい、したがって電場の大きさ(矢印の長さ)が小さくなりますので合成すると下を向きます。ということで、答えは7です。#instagram(BlOzhKkHYDc)問4次の文章中の空欄[ア]~[ウ]に入れる語句の組合せとして最も適当なものを選べ。[4]単原子分子理想気体では,気体分子の平均運動エネルギーは絶対温度に[ア]し,[イ]。分子の平均の速さの目安となる2乗平均速度は,同じ温度のヘリウム(He)とネオン(Ne)では,[ウ]。[ア]:比 例 /反比例[イ]:分子量によらない / 分子量とともに大きくなる[ウ]:ヘリウムの方が大きい /同じになる /ネオンの方が大きい[ア]:比 例[イ]:分子量によらない[ウ]:ヘリウムの方が大きい→運動エネルギー(mv^2/2)は同じなので 質量mが小さいヘリウムのほうが速度は大きくなる。問5点Oを中心とする半径3.0cmの一様な厚さの円板がある。図3のように,点O′を中心とし,その円板に内接する半径2.0cmの円板Aを切り取った。残った物体B(灰色の部分)の重心をGとする。直線O′O上にある重心Gの位置と,OG間の距離の組合せとして最も適当なものを答えよ。[5]#instagram(BlUC7_znAU_)Oの右側x cmの場所にGがあるとする。Gの周りの力のモーメントを考えると、9πρgx-4πρg(1+x)=0ここで、ρは1cm^2あたりの質量、gは重力加速度です。これを解くと、x=0.8[cm]値が正で出たのでGはOの右側で正しかったことになります。Gが重心になるため、Gに立てた指でも置くと、安定することになります。力のモーメント:ある物体をある点を基準に時計回りに回そうとする力と反時計回りに回ろうとする力を計算すると0になる。それぞれの回転力の大きさは「力の大きさ」と「その点から力がかかる点の距離」の積になります。Gにかかる力は計算で出せますが(物体が動かないので、9πρgx-4πρg=5πρg)、Gを基準にGまでの距離を考えると距離が0になるためモーメントは力と距離の積になるため0になります。 *第1問(必答問題) [#be47a6dc] 次の問い(問1~5)に答えよ。 〔解答番号1~5〕(配点25) ~ **問1 [#na5a724a] 図1(a)のように,速さvで進む質量mの小物体が,質量Mの静止していた物体と衝突し, 図1(b)のように二つの物体は一体となり動き始めた。 一体となった物体の運動エネルギーとして正しいものを,答えよ。 ただし,床は水平でなめらかであるとする。 #instagram(BlNmWkfn4B2) ---- ※ポイント 運動量保存則:質量m、速度vとしたときに衝突前後でmvの和は一定になります。 運動エネルギー:mv^2/2 一体となった後の速さをVとすると、運動量保存則より、 mv=(m+M)V V=mv/(m+M) 求める運動エネルギーは 1/2・(m+M)・V^2 =1/2・(m+M)・{mv/(m+M)}^2 =m^2・v^2/2(m+M) ---- **問2 [#ka4c7e89] 空気中を伝わる音に関する記述として最も適当なものを,次から一つ選べ。 [2] (1)音の速さは,振動数に比例して増加する。 (2)音を1オクターブ高くすると,波長は2倍になる。 (3)音が障害物の背後にまわりこむ現象は,回折と呼ばれる。 (4)振動数が等しく,振幅が少し異なる二つの波が重なると,うなりが生じる。 (5)音源が観測者に近づく速さが大きいほど,観測者が聞く音の振動数は小さくなる。 ---- (1)音の速さは,振動数に比例して増加する。 v=fλ(v=速度、f=振動数、λ=波長) なので、fが倍になるとvが倍になると思われがち。 しかし空気中の音速は一定なので誤り。 fが倍になると、vが一定になるようにλが半分になる。 (2)音を1オクターブ高くすると,波長は2倍になる。 音が高くなると振動数が増えるので、波長はむしろ短くなる。 (3)音が障害物の背後にまわりこむ現象は,回折と呼ばれる。 正解。 (4)振動数が等しく,振幅が少し異なる二つの波が重なると,うなりが生じる。 「振動数が少し異なる」が正解。 (5)音源が観測者に近づく速さが大きいほど,観測者が聞く音の振動数は小さくなる。 波長が見かけ短くなり、振動数が大きくなる。 ---- **問3 [#h1cff337] 図2のように,正方形ABCDの頂点に電気量±Q(Q>0)の点電荷を固定する。 点Pでの電場(電界)の向きを表す矢印として最も適当なものを,下の1~8のうちから一つ選べ。 ただし,点Pは正方形と同じ面内にあり,辺BCの垂直二等分線(破線)上で,辺BCより右側にある。 [3] #instagram(BlOwNwunvG9) ---- 電場E = kq/r^2 (k:比例定数、q:電荷量、r:距離) 電場の向きは2点を結ぶ直線に平行になります。 E>0(q>0)なら矢印は電荷からその場所への方向になります。 E<0(q<0)なら矢印がその場所から電荷への方向になります。 ということで、電荷4つそれぞれが作る電場は下図の赤矢印になります。 その4つの赤矢印を合成したものが青矢印になります。 矢印の傾きと、A、DがB,Cより遠いことよりrが大きい、したがって電場の大きさ(矢印の長さ)が小さくなりますので合成すると下を向きます。 ということで、答えは7です。 #instagram(BlOzhKkHYDc) ---- **問4 [#d6a3837e] 次の文章中の空欄[ア]~[ウ]に入れる語句の組合せとして最も適当なものを選べ。 [4] 単原子分子理想気体では,気体分子の平均運動エネルギーは絶対温度に[ア]し,[イ]。 分子の平均の速さの目安となる2乗平均速度は,同じ 温度のヘリウム(He)とネオン(Ne)では,[ウ]。 ~ [ア]:比 例 /反比例 [イ]:分子量によらない / 分子量とともに大きくなる [ウ]:ヘリウムの方が大きい /同じになる /ネオンの方が大きい ---- [ア]:比 例 [イ]:分子量によらない [ウ]:ヘリウムの方が大きい →運動エネルギー(mv^2/2)は同じなので 質量mが小さいヘリウムのほうが速度は大きくなる。 ---- **問5 [#e0012c9f] 点Oを中心とする半径3.0cmの一様な厚さの円板がある。 図3のように,点O′を中心とし,その円板に内接する半径2.0cmの円板Aを切り取った。 残った物体B(灰色の部分)の重心をGとする。 直線O′O上にある重心Gの位置と,OG間の距離の組合せとして最も適当なものを答えよ。 [5] #instagram(BlUC7_znAU_) ---- Oの右側x cmの場所にGがあるとする。 Gの周りの力のモーメントを考えると、 9πρgx-4πρg(1+x)=0 ここで、ρは1cm^2あたりの質量、gは重力加速度です。 これを解くと、x=0.8[cm] 値が正で出たのでGはOの右側で正しかったことになります。 ~ Gが重心になるため、Gに立てた指でも置くと、安定することになります。 力のモーメント:ある物体をある点を基準に時計回りに回そうとする力と反時計回りに回ろうとする力を計算すると0になる。 それぞれの回転力の大きさは「力の大きさ」と「その点から力がかかる点の距離」の積になります。 Gにかかる力は計算で出せますが(物体が動かないので、9πρgx-4πρg=5πρg)、Gを基準にGまでの距離を考えると距離が0になるためモーメントは力と距離の積になるため0になります。 ---- ページの更新 通常編集モードに切り替える データ参照プラグイン 入力支援ツールを表示 ▼参照先ページ選択:データを表示 元データの書式(インラインプラグイン)を継承する